ストーリーで伝えて、疑似体験させろ|アマゾンで学んだ!伝え方はストーリーが9割 小西みさを
今回はソフトバンクからアマゾンに転身し、広報として2003年から2016年までの13年間勤務されていた小西みさをさんの著書
「アマゾンで学んだ!伝え方はストーリーが9割」
について解説させて頂きます。
本書はですね、商品サービスの売上がなかなか上がらず、
- いい商品なのになぜ売れないんだ!
- 一度使ってもらえれば分かるのに!
みたいな感じで、毎日イライラしながら地団駄踏んでいる方を救ってくれる、超有益な一冊なんでございます。
本書の知識や方法を吸収しておけば、結論、今よりも売り上げが上がります。
逆に、本書に書かれている方法を知らなかったり実践しなければ、これからも地団駄を踏み続けてしまうことでしょう。
今回は本書が伝えたい部分、重要な部分にギュッと絞り、商品サービスのPRに必要な3ステップについてお伝えさせて頂きます。
その3ステップとは後ほど詳細を解説しますが、
- すべての戦略を顧客視点で考え抜く
- メインターゲットを決める
- 自分ごととしてとらえてもらう
この3つでございます。
では、肝心の本編に入りますが、その前にめちゃくちゃ大事な前提部分についてお話させてください。
まずお伝えしたいのはですね、そもそも提供する商品サービスがお客様のためになっているかどうか?というお話です。
当たり前のことを承知でお伝えしますが、これを使えば楽しめるとか、このサービスなら喜んでもらえるとか、ほんのわずかでもそういった可能性があることが前提です。
もし、その要素がかけらもない激弱スペックだとしたら、この本の内容を3万回実践しても、どんなに人気の女優さんを使ってPRしてもしんどい結果になるでしょう。
ただ、普通であればわずかでも売れる可能性を秘めた商品サービスだと思いますので、売れる確信がなかったとしても、
- もしかしたら売れるんじゃないか
- いや、おれはどーしても売りてーんだ
とかであれば本書は必ず参考になります。
逆に、本書を実践してみて、無人島にいるのか?と思うほど無反応だったとしたら、すみません一旦あきらめてください。改良してから再出発するか、次の商品サービスを生み出しましょう。
とはいえ、実践することで行くか戻るかの判断材料にもなりますので、ぜひ読み進めて頂ければと思います。
ではいきましょう!
目次
すべての戦略を顧客視点で考え抜く
まずファーストステップ、すべての戦略を顧客視点で考え抜くについてです。
これ要は、提供する商品サービスが本当にお客さんの為ですか?ということです。もし自己満とかだったら一旦考え直して、改めて顧客視点に立って考えましょうと。
Amazon創業者といえばジェフ・ベゾス氏ですが、2021年7月にアマゾンのCEOから退く前からブルーオリジンという航空宇宙企業を設立しています。そして、2021年7月20日にベゾス氏を含む搭乗者4人で約10分間の世界初の民間宇宙旅行を実現させたことは大きなニュースにもなりました。
そんなベゾス氏は顧客視点が半端なく徹底していて、お客様が決めるんだ!という意味のカスタマーズ ルールという標語をよく使っていたそうなんです。
良かれと思って自分たちが勝手に決めるんじゃなくて、お客様が決める方向に従って商品サービスを進めていきましょうと。
だってあれですよね、アマゾンは品揃えは豊富ですし、安いし、すぐ届くという3拍子が揃っています。商品選びに困ったら口コミ評価を見ればいいし、他の商品もありますよ!みたいに類似品を表示してくれたり、比較までしてくれます。
口コミ評価のコメントは出店側が操作しちゃってるんじゃないか?って思う場面もありますけど、写真付きで詳しくレビューしてくれる方々の評価は参考になっているはずです。
こんな風に、Amazonは我々にとって嬉しいサービス提供をしてくれておりますので、お客様のために利便性を追い求めているのが伝わってきますよね。
その他にも、我々が見る機会はありませんが、アマゾンの会議では必ず空席が1つあるというんですね。
空席は架空のお客様、つまりエアー・カスタマーの席になっているんだと。
お客様がいるとして会議が行われ、
- 協議している内容はお客様のためなのか?
- それはお客様に喜んでもらえることなのか?
ということを常に意識するために行っている儀式なんです。
会議をしているアマゾンの社員は、たとえ会議室の中だったとしても常に顧客を意識した言動が求められます。
そして、協議した内容がアマゾンの自己利益になることであっても、お客様に不利益が生じることなら問答無用でバッサリと切り捨てられます。
でもこれって自分たちでもすぐに応用できるんじゃないかなーって思います。
商品サービスを考えているとき、視界に一つ椅子を置きます。時には、これどう思う?とか言ってエアー・カスタマーに話しかけてみてもいいと思うんですよ。
1人で働いている方だと独り言みたいで逆に寂しくなっちゃうかもしれませんが、顧客を意識するっていう意味では有効ですし、お金もかからないからすぐに実践出来ます。
空席を置くとか置かないとかやり方は人それぞれでいいんですが、ジェフ・ベゾス氏のごとくストイックなほどに顧客を意識するいうことをぜひ覚えといてください。
メインターゲットを決める
続いて2つ目、メインターゲットを決めるというステップです。
さっきのファーストステップで、もうすでに顧客を意識することの重要性は理解頂けたかと思います。
ただ中には、商品サービスを誰に提供すれば喜ばれるのか?っていう根本がなんだかハッキリしていない、モヤモヤしていることってあると思うんです。
つまり、会議室に顧客の空席を用意したのはいいけど、じゃあそこに誰が座ってるの?が明確になっていないということです。
良く分かんないけど、スタイルのいい若い女の子が座ってればその人に向けたアイデアがバンバン出ます!っていうのであればそれでもいいんですけど、
提供しようとしている顧客ってどういう人なの?
ということを明確にして、その人が座っているようなイメージが必要なんです。つまり、ペルソナですね。
ペルソナとは、ターゲットを具体的にイメージして、架空でもいいのである人物を設定するという手法です。
例を出しますと、そうですね、フリーランス向けの失業保険サービスみたいなのがあるとした場合、そのサービスを利用してくれそうなフリーランス像をイメージします。
37歳、映像制作、フリー転身まだ2年目、年収480万円だけど仕事があったりなかったりで収入は不安定、妻35歳、子供3歳と0歳、都内在住、住宅ローン残高3723万円・・・
みたいな感じです。
普通に”フリーランス向け失業保険”にしてしまうとターゲットが広すぎて何をどう訴求していいのか分からなくなりますから、顧客を可能な限り具体的にイメージするというのががキモです。
仕事、年収、年齢、既婚独身、家庭状況などを詳細にペルソナして、個々に合った失業保険サービスプランを提供するように計画しましょうと。
そうすることで、ターゲットが喜んでくれそうな失業保険サービスはどういった内容にすればいいのか?契約してもらえるのか?ということが明確にできます。
以上がメインターゲットを決める、つまり誰をエアー・カスタマーとして座って頂くか、ということになります。
自分ごととしてとらえてもらう
最後に3つ目、自分ごととしてとらえてもらうというステップです。
ファーストステップの顧客視点であること、セカンドステップのメインターゲットを具体的にイメージできたら、最後はその商品サービスが自分に必要だと思ってもらう、つまり自分ごととしてとらえてもらう施策が必要です。
といっても難しく考える必要はなく、本書のサビとなるストーリー仕立てで商品サービスを伝えるだけでOKです。
例えば、AmazonではKindleをこうしてPRしました。
- PRのテーマ:リゾート旅行のお供にKindle
- メインターゲット:旅先で本を読みたい、けど荷物になるのは嫌。という女性。
・・・先ほど、メインターゲットは具体的に設定しましょう、とか言っておきながらざっくりした感じになっちゃってますが、ここでは女性全体に向けた訴求なので、このざっくり感はご了承ください。
次にこれをストーリー仕立てにしていきます。
- ある女性がリゾート地に一人で出かけ
- 旅先でKindleをバッグに入れてホテルを出て
- 海辺のおされなカフェのテーブルに座り
- Kindleでお気に入りの小説を読んで気分上々
- 翌朝はホテルのバルコニーでコーヒー飲みながら読書してリラックス
この流れで各シーンを作り、具体的にKindleを使う状況をイメージできるようにしていきます。
どうでしょうか、ストーリー形式で伝えられるとこんな感じで自然とイメージできちゃうんじゃないでしょうか。
頼まれてもいなのに、主人公を自分に置き換えちゃったり、Kindle買って旅行してる自分を想像したりしませんでしょうか?
もしそんなイメージがこれっぽっちも思い浮かばなかったとしたら、すみません それは私の文章力が無いだけです 笑
別に旅行じゃなくても、移動中の電車で読めるとか、待ち時間に読めるとか、男女問わず日常で使うイメージにもつなげることができます。
これこそがストーリー仕立てにすることで自分ごととしてとらえてもらう、言い換えれば疑似体験してもらうという方法です。
Kindleの容量は何ギガとか、重さは何十グラムとか、大きさは何センチとか、そういったスペックは別にどうでもいいんです。
まあどうでもいいこともないんですけど、それを伝えるよりも先に実際に使っているイメージを顧客の右脳に植え付けることが大事なんです。
その為には、ストーリーを作ると伝わりやすいし、とても効果的なんですよ、ということです。
フリタメ的まとめ
はい、ということで今回は小西みさをさんの著書「アマゾンで学んだ!伝え方はストーリーが9割」について解説させて頂きました。
1つ目、すべての戦略を顧客視点で考え抜き、
2つ目、メインターゲットを決め、エアー・カスタマーの席に座って頂き、
3つ目、商品サービスをストーリーで伝え、自分ごととしてとらえてもらいましょうと。
そうすることで、実際にその商品サービスを使っている自分をイメージしてもらい購入につなげましょう、そんなお話をさせて頂きました。
考えてみれば商品を売りたいって時、どうしても売る側目線になってしまいますよね。その気持ちが強ければ強いほど、まさに押し売り状態となります。
逆の立場で考えたら自分は売り込まれたらイヤなのに、売る側になった途端に売り込もうとする、そんなうざいセールスマンになってしまうんです。僕は完全にそうです笑
そうじゃなくて、これを使うと快適ですよ、楽しいですよ、みたいな感じを分かりやすくストーリーで伝えて、それを見た方に疑似体験してもらう。簡単に言えば、物を売るんじゃなくて体験を売るということが大切なんですね。
極論を言っちゃうと、なんだかんだ言って人って物が欲しいわけじゃないんですよ。快適とか、幸福とか、優越感とか、そういった体験が欲しいんです。
例えば、大きな家に住みたいなーと思っても、それは快適さとか幸福感を味わいたのであって、大きな家というのはその希望とか欲望みたいなのを満たしてくれる、その手段に過ぎないんです。
だって、大きな家を買ったところで、その家のせいで快適さや幸福感が逃げてしまったとしたらどうでしょうか。その家を手放しますよね。
だから、物を売るんじゃなくて、
体験を売りましょう、その方法としてストーリーで伝えましょう
という考えが正しいんです。
もし、よく分かんないけど
- 全然売れねーな
- 商品が悪いのかなー
- 今月も赤だなー
という、絶賛しんどい最中ですという方がおられましたら、ストーリーで伝えるということをぜひ実践してみてください。
商品を使うことで得られる体験がどんなものか、それが顧客に届けば、今までとは違う反応が確実に得られるはずです。
それでも売れなかったとしたら、メインターゲットとストーリーをあれこれ変えて試行錯誤してみる。
それでもだめなら、勇気を振り絞って商品を一旦リセットし、空席をかたわらに置いて、改めて今回解説した3ステップを実践していきましょう!
ということをお伝えして、今回は締めさせて頂きたいと思います。