これぞ仕事のチェックリスト|コンサル一年目が学ぶこと
今回は大石哲之さんが書かれた「コンサル一年目が学ぶこと」について解説させて頂きます。
本書は2014年に発行されてから10万部を突破した本で、サラーリーマンもフリーランスも自営業も、働く人全ての人が実践すべき仕事に関する基本中の基本が書かれた良書です。
タイトルには”コンサル一年目”とありますので、「自分の仕事はコンサルじゃないし、1年目の新人じゃから関係ない本かな」と思われたとしたら、すみませんがそれは完全に早とちりです。
サブタイトルにもある通り、新人、ベテラン、職業、業界、年齢問わず、15年後も、いや一生役立つスキルがぎっしり詰め込まれた本です。
これからビジネスの世界に飛び込む方はもちろん、
・日々の努力の割に結果がついてこないという悩みをお持ちのビジネスマンの方、
・20年以上社会人やってベテランだけど、まだまだスキルアップしたいという方、
・一度立ち止まって自分の仕事を見直してみたい方、
などなど幅広く読んで頂きたい、そんなふうに思わざるを得ない一冊です。
ハッキリ言っちゃっいますと、ここで本書の内容を解説するとかじゃなくて、早速手に取ってメモを取りながら自分の仕事と照らし合わせながら読んでみて欲しい、というのが本心です。
そうしますと、このブログいらねーじゃん となってしまいますので、そんなご意見を受けない為にも、本書で紹介されている30個の重要スキルの中からぎゅぎッと3つのテクニックに絞り込んで分かりやすく紹介していきます。
いつもの通り先に結論だけ言ってしまいますと、
結論、重要なテクニックはこの3つです。
1.PREPの順番で話す
2.数字とロジックで語る
3.Quick and Dirtyで進める
いやいや、こんな一言だけでは意味わからんとなりますので、早速順番に解説させて頂きます。
きっと自分の仕事に対する姿勢や改善点などが見つかりますので、しっかり最後まで見て行って頂ければと思います。
ではいきましょう!
目次
PREPの順番で話す
まず最初にPREPの順番で話すについて解説します。
結論だけ言っちゃいますとPREPとは、
・Point
・Reason
・Example
・Point
の頭文字です。
これを訳すと、
・Point 結論
・Reason 理由
・Example 具体例
・Point 要領
となります。
つまり、ビジネスの世界では、この順番で話しましょうということです。
そうですね、例えば、
化粧品を扱っているクライアントから、
「新商品のサンプルを100個送るから、100人の女性に試してもらって、レビューを調査して売れるかどうか教えて。」
と依頼されたとします。
そこであなたは100人の女性に化粧品サンプル配り、感想を取りまとめ、それをデータ化して報告します。
その報告の時に先ず伝えることは、そうです結論です。
例えば開口一番、
「結論から言います。87%もの女性が支持したので、ヤバいです。コレめちゃくちゃ売れます。」
みたいな感じです。
その後に、
「普通の化粧品は支持率48%です。それに対して87%は驚異的です。20代は反応いまいちですが、32歳から45歳にかけて人気がありました。」
といった感じでデータを並べて理由を説明します。続いて、
「いやー、データ的に見ても爆売れします。売れない理由が見つかりません。売れなかったら私、切腹します!」
まあ切腹はしなくていいんですが笑 こんな感じで具体的な感想を伝えます。
最後は、
「40歳前後の中間年齢層に人気が出そうなので、そこに絞って広告を打つのが得策です。」
みたいな感じで締めます。
でも、実はこの結論ファーストというのは、日本人はすごく苦手なんです。なぜなら、学校では起承転結で組み立てるように教育されてきたからです。
起承転結とは、
起:事実や出来事
承:「起」に関する事
転:「起承」とは別の展開
結:結論
つまり、最初に物事の流れや理由を説明して、最後に結論を言うということです。
学校教育ではこれを正としてきてるわけですね。
確かに受験ならこれで100点ですが、残念ながらビジネスの世界では30点です。
最初からダラダラと理由ばかり並べていても、
「結局、あなたはなにが言いたいの?」
と言われることになります。
特に気の短いクライアントなら報告の最中にブち切れます 笑
そうなる前にまず結論ファースト。その後に理由を説明する。この流れを脳にしっかりと彫刻刀で刻み込んでおきましょう。
数字とロジックで語る
続いて2つ目。数字とロジックで語るについて解説します。
これ簡単に言うと、何か意見を言う時は感情や経験談ではなく、
・数字で伝えましょう
・筋の通った論理で答えましょう
ということです。
そうですね、例えば従業員のやる気を上げるにはどうしたらいいか?
といった問題を解決するとします。
そこで、やっぱ根性でしょう と思って、
「やる気と元気、そして根気が必要です。」
にみいなことを言っても誰もついてこないし、何も解決しません。
根性論が通用するのはせいぜい昭和の時代です 笑 根性とかではなく、解決するにはまず、
・従業員の何%がやる気が薄いのか?
・その仕事内容は何なのか?
・1日のスケジュールを分析して見えてくるものは?
・人間関係はどうなのか?
・人によって残業の偏りはないか?
・やる気が薄い従業員の年齢層と家族構成は?
といったことをまず調査・分析します。そして徹底的に数字に落とし込みます。それをグラフ化できれば分析は完ぺきです。今でいう統計学的感じでしょうか。
こうして集めたデータを数値化することで、見えてくることがあります。
例えば、
・1日の67%は単純作業 → 退屈だからそれを自動化しよう
・子育て世代が52% → フレックスやテレワークを導入しよう
・残業ゼロの人と、残業月70時間の人がいる → 不公平だから平準化しよう
といった解決策ですね。
従業員のやる気という無形物 → 数字という有形物
に変換することで問題点を浮き彫りにできますし、それに対して論理的に改善点を見つけ出す。こうした活動ができます。
こんな風に事実を集めて出した数値というのは証拠と一緒です。
だから、自分の都合のいいように事実を無理やり曲げるようなクソハゲ従業員がいたとしても、その権力は一切通用しません。
他にも、ド根性論を前面に出す、周りとの温度差を生みやすい感情派の人がいたとしても、このデータを前にして黙らせましょう。
とにかく周りを納得させ動かすためには感情論ではなく、起きている事象を数字に変換しそれを基に論理的に解決しましょう。
もし、思うように問題が解決できないとか、周りを納得させられない、といったお悩みがありましたら、真っ先に実行してみて下さい。
Quick and Dirtyで進める
最後3つ目。Quick and Dirtyで進めるについて解説します。
これをそのまま訳せば、
Quickは「素早い」
Dirtyは「汚れた」
ですから、読んで字のごとく素早く、汚く進めるということです。
もう少し分かりやすく言い換えると、
時間をかけて完ぺきを目指さず、多少雑でもOK。
ということです。
例えば、何かのプロジェクトを始める時、最初に決めるのは概略、つまりコンセプトや方向性ですよね。
だから、初回打合せの資料はたたき台ですから、内容が分かる程度の資料でOKということです。
最初から気合を入れて細部に気を配り、パワポのデザインも整えたり、アニメーションを加えたりした資料を作らなくていい。むしろ、そんなところに時間をかけるのはムダだから、やってはいけないということです。
重要なのは早く作ること。これに尽きます。そのためには、細部にこだわって時間をかける必要なんてないんです。
なんなら、誤字脱字が多少あったっていいくらいです。伝われば目的達成ですから、必要以上に時間を費やす必要はありません。
その理由の一つでもあるんですが、本書には
0 点 → 90点まで完成させる時間
90点 → 100点まで完成させる時間
これは全て一緒の時間だと。
つまり、
0 点 → 90点に1時間かかったとしたら、
90点 → 100点のたった10点上げるのも1時間かかる
ということです。
完成度が高くなるほど時間がかかる。言い換えれば、時間をかけても精度が上がりにくいということなんです。
これはベル研究所のトム・カーギルという方が提唱した「90:90の法則」というらしいんですが、例えるなら山登りですよね。
例えばエベレスト登頂をするとして、
ふもとにたどり着く時間と
残り100mで頂上までたどり着く時間
というのは違います。
頂上が近づくにつれて険しくなりますから、同じ距離を進むにしても何倍も時間がかかりますよね。
ですから、最初から頂上を目指すんじゃなくて、その手前にたどり着ければOK。Dirtyの目安としては、良くて80%、なんなら60%くらいの出来でOKです。
もし100点にこだわるとしたら一番最後。プロジェクトの締めの時だけにしておきましょう。
フリタメ的まとめ
ということで今回は大石哲之さんの著書、「コンサル一年目が学ぶこと」について解説させて頂きました。
まとめると仕事には基本となる手順とかやり方があるんですと。それを知って実行することがビジネスをする上で重要であり、基本中の基本なんですと。
具体的には3つの方法について解説させて頂きました。
まず1つ目、PREPの順番で話す。
起承転結ではなくて、まず結論から話しましょう。その後に理由を説明しましょうということ。
2つ目、数字とロジックで語る。
気持ちとか時間とか、目に見えない無形物は、数字という有形物に変換してロジックで解決策を練りましょうと。
最後3つ目、Quick and Dirtyで進める。
仕事の完成度はいきなり100%を目指さず、ラフでいいから60~80%で進めていきましょう。
そんなお話をさせて頂きました。
仕事をしていると、
・思うように仕事が進まない
・他のことに時間を取られる
・仕事が増えない
などなど、何かしらの問題点にぶち当たることはよくあります。
じゃあなんでこうした問題に直面するのか?と考えてみると、
・メールとかLINEの返信に追われる
・資料作りに必要以上の時間をかけてる
・最初から丁寧に仕事をし過ぎる
・打合せがダラダラ続く
といった、が時間の浪費が意外と多いんですよ。
一方で、
この人デキるなー
と思う人って、とにかく仕事が早いですよね?
サクッと作業して、次に行く。だから、一日に処理する仕事量がめちゃくちゃ多い。
進むのが早い分、もし仕事の方向性を間違ったとしても元に戻ってリカバーできます。
でも、どうやって早く仕事を処理すればいいのか、良く分かんないなー
と思ったら、やっぱり原点回帰です。
仕事の基本ができているのか?を考えながら、本書を見直して自己チェックしてみましょう。
そんなに目が血走るほどじゃなくていいので、ペラペラとページをめくり出来なかった所を次は実践する程度でOKです。こんな感じでPDCAを回していきましょう。
他にも、コンサル流の
・話す技術
・流思考術
・デスクワーク技術
といったテクニックもありますので気になる方は手に取って読んで頂ければと思います。
とにかく、
鈍い(のろい)=呪い
ですから、遅いってなにもメリットがないんです。
ブログ更新の頻度が全く上がらない私が言うのもなんですが、仕事はスピード重視でやって行きましょう。
ということで今回は以上でございます!