ビジネスは実験、実験こそ財産|実験思考 世の中、すべては実験 光本勇介
今回は、売りたい物の写真を撮影して送るだけで一瞬にして現金化できてしまう画期的なサービスCASH.jpを生んだ光本勇介さんが書かれた著書
「実験思考 世の中、すべては実験」
について解説します。
CASH.jpをご存じない方もいらっしゃると思うので触れておきますと、売りたい商品の写真を送るだけで自分の口座にチャリンと現金が入る仕組みの即金型アプリです。
例えば、メルカリとかであれば、
- 売りたい商品の値段を決める
- 写真をアップロード
- 買いたい人を待ち、商談する
- 商品発送
- 入金
みたいな流れですが、これに対しCASH.jpは、
- 写真を撮る
- 入金
- 商品発送
という、入金までのフローがとてつもなく短いことが最大の特徴で、直ぐに現金が欲しいという方には人気のアプリなんです。
詳しくはこちら
さて本書はですね、一言でいえばビジネス、特に新規のビジネスをリリースする時に襲ってくる不安から解放してくれる、ビジネスマンには必要不可欠な一冊となっております。
その著者である光本さんについて説明しますと、父親の仕事の都合で10歳から18歳までデンマークとイギリスに住んでおりました。
日本人学校でなく現地の学校に通い、日本には夏休みに帰国する程度。帰国しても日本には友達もいませんから遊ぶ相手もいません。
”暇をもてあそぶくらいなら金を儲けよう”
ということで、高校生でありながらビジネスをして月150万円の利益をたたき出してしまうというツワモノです。
ではどんなビジネスだったかというと、原宿へ通いブランドTシャツを購入し、それを倍の値段でネット販売するいわゆる転売です。
今では珍しい事ではありませんが、当時はヤフオクも楽天もない時代でして、インターネットで物を売買するという感覚すら一般的でない時代でした。そんな時代にインターネットを使って儲けるという、根っからのビジネスマインドを持っている方なんでございます。
社会人になってからは本格的に数々のビジネスを展開するのですが、人がやらないような実験を何度も繰り返しています。
しかし、実験こそ財産という信念の元、失敗を恐れずにチャレンジし続け、ついにはミリオネアになります。
そんな光本さんが書かれた本書のビジネスに対する考え方を身に付けておけば、多少の失敗なんかでくじけたりくよくよすることなんてなくなります。
というか、失敗を失敗と思わない、
「ビジネスは実験から始まるんだ、失敗上等」
そんな決して折れることのない鋼鉄マインドを手にすることができます。
逆に、本書に書かれている実験思考を知らないと、日々降りかかる失敗の数々に心が折れ、もうビジネスなんてヤダ、俺には向いていないんだ、そんな風に仕事が辛いものになってしまうことでしょう。
私のブログを見てくれている方々に、そんな辛い思いをさせるわけにはいきません。今回の解説を読み終わった後にはビジネスにトライすることが面白く思え、
「試したいけど怖くて試せなかったことをやってみよう、所詮実験だもの。」
そんな風に前向きにチャレンジしまくれるマインドに生まれ変わる、そこを着地点として解説して参ります。
ではいきましょう。
目次
ビジネスは失敗から始まる
では本編に入りますが、その前にめちゃくちゃ大事な前提部分についてお話しさせてください。
まず前提としてなんですが、ビジネスに失敗は付きものです。成功した人は大した失敗もせず、センスとか頭の良さだけで簡単に成功したように見えてしまいますが、その裏には数々の、時には想像を超えるほどの大金が溶けてなくなる失敗を重ねてきているものです。
その失敗の中から成功の種を見つけ、それを育てることで大成功と大金をつかみ取ります。まずここを押えといてください。
巷に売られているビジネス書を読むとか、起業セミナーに参加するとか、それ自体が悪いわけじゃないんですけど、知識さえ付ければなんか成功しちゃうんじゃないか、そんな気分になればOK、ということではないんです。
つまりですね、ビジネスに成功するかしないかというのは、失敗を重ねてきたかどうか、そしてその失敗を活かすか殺すかの違いなんです。
分かりやすく言えば、失敗を失敗で終わらせてしまう人は、気力もお金も失ったままのしんどい状況になります。フリーランスや個人事業主にとってみれば、自営業の終了を意味することになります。
一方で、失敗にぶち当たってもそれを糧にするマインドと方法を知っている人は、逆に失敗をモチベーションや成長に活かします。
じゃあそのマインドとやらを教えてくれよ、となると思いますので、次から今回のサビである実験思考、
- 失敗ではなく実験ととらえる
- 実験結果を財産に変換する
の2ステップについて解説させて頂きます。
失敗ではなく実験ととらえる
まずファーストステップ”失敗ではなく実験ととらえる”についてです。
新しいサービスや商品をリリースする時、うまくいくことを願っていてもあっさりと裏切られてしまうという経験、お持ちじゃないでしょうか?
よし、これならイケる!と思ってリリースしても、鳴かず飛ばずということはよくあります。
逆に、サービスや商品は売れるけど、実際やってみると利益にならないとか、赤字垂れ流しなんてこともあります。
著者の光本さんはCASH.jpをリリースしたとき、このサービスがうまくいくかどうかなんて分かりませんでしたが、売りたい商品の写真を送るだけですぐに現金が手に入るということで、あっという間にSNSで広まり大人気になりました。
でも、人気になったのはいいんですが、みんなが写真を送りまくった末に、たった24時間で3.6億円もの現金が吐き出されたというんです。
商品が送られてくるより先に現金を振り込むので一時的に現金が外に出ていくわけですし、現金だけ受け取っ手肝心の商品を発送しない、なんていう詐欺行為が横行することも考えられます。
さすがに光本さんも怖くなってサービスを一時停止したようなんですが、翌日、発送された商品が大量に届いたというんです。
中には、お金だけ受け取って商品を発送しなかった人もわずかながらいたようなんですが、ほとんどの人がしっかり商品を発送してくれたそうです。
私からすれば詐欺行為が横行してもおかしくないサービスは怖いし、リリースしたとしても3.6億円もの現金をばら撒くなんて無理です。
しかし、光本さんは違います。うまくいくかどうかもひっくるめて、このビジネスが成り立つかどうかの実験なんだと。
つまり、
- 3.6億円ばら撒いてみた
- ほとんどの人が商品を送ってくれた
→人間の本性は基本的に善であるとする「性善説」に基づいたビジネスは成り立つ!
という実験結果を得たわけです。これは実際にやった人でないと得られない事実ですよね。
CASH.jpは結果的にうまくいきましたが、逆にもし失敗したとしても、”性善説”に基づいたビジネスは成りたたないんだ、という実験結果を得たということになります。
私の場合ですが、その昔、売れると分かっているけれど、とてつもなく競争が激しいとされるサプリメント販売の分野に飛び込んだことがあります。そのとき投じた費用が100万円でした。
たった100万円では太刀打ちできない市場だったので完敗したわけですが笑 その後、100万円あれば欲しいもの買えたとか、沖縄旅行に行って水着の女性眺めながら青い海を満喫できたとか、やたらと落ち込みました。
しかし、本書を読んで救われました。そうか、これも実験だったんだと。とてつもなく競争が激しい分野に個人が参入すると、戦慄の結果が待っているんだと 笑
もし、私同様に失敗で落ち込んでいる方がおられましたら、自分は実験をしただけなんだ、そう思ってみてはいかがでしょうか。というか、そう思いましょう。
ビジネスは実験から始まる、この実験思考さえあれば打ちひしがれまくった心の傷も癒えて、なんとなくでも再起する気持ちが湧き出してくるのではないでしょうか。
実験結果を財産に変換する
続いて2つ目、実験結果を財産に変えるというステップです。
実験をすることで得ることができた貴重な経験とデータですが、これをドラキュラのごとく眠らせておいてはいけません。その結果を分析して次に活かす財産に変える必要があります。
光本さんはCASH.jpをリリースする前に、STORES.jpという誰でも簡単に開設できる決済サービス付きのネットショップを提供しておりました。
ただ、通常の決済サービスというのは月末締めの翌月末支払い、つまりネットショップの運営者は売上金を手にするまで1か月かかります。
しかし、すぐにお金が欲しい人もいるんじゃないか?ということで手数料は高めだけど、翌日に売り上げが振り込まれるスピードキャッシュを用意してみました。
すると、このスピードキャッシュを使う方が意外と多く、「少額でもいいからすぐにお金が欲しい」という需要が裏付けられたのです。
今すぐにお金が欲しいという需要に気付き、そこから生み出されたサービスがこれまで紹介してきたCASH.jpにつながるのですが、結局のところSTORES.jpで行ったスピードキャッシュの実験があったからこそなのです。
繰り返しにもなりますが、たった1日で3.6億円をばら撒いて人を信じる性善説のビジネスが成立することが分かったCASH.jpもそうなのですが、実験とその結果を財産として活用する、その大切さみたいなのが伝わってきますよね。
かの有名な、発明の神様であるエジソンも言っておりました。
「失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう。」
電球を発明するために失敗に失敗を重ね、気の遠くなるような実験を繰り返してきた、そして見事に完成させたことは有名な話です。
実験をしていかにそれを活かすか、これが大事なんだと。エジソンが言うんですから間違いありません。
フリタメ的まとめ
今回は光本勇介さんの著書「実験思考 世の中、すべては実験」について解説させて頂きました。失敗を実験ととらえ、その結果を財産として次に活かす、そんなお話をさせて頂きました。
ただですね、
実験思考の大切さは分かった。でも、なにをどう始めたらいいのか分からねーよ。
という方もいらっしゃると思います。
そこで、フリタメが本書を読んで気付いた事に、おこがましくも自身の経験をプラスし、成功するビジネスターゲットみたいなものをお伝えしてみたいと思います。
本書にはCASH.jp以外の事業例として、
「金はない、だけど海外旅行に行きたい!」
という、ジャイアン級のわがままも叶えてしまう、後払いシステムの旅行サービスTRAVEL Nowも紹介されております。
他にも手掛けた数々のビジネスが書かれておりますが、詳細はamazonで本をポチって頂くとして、CASH.jpと共通して言えることは今すぐ客に対して作ったサービスであるということです。
- CASH.jpで言えば、今すぐ現金が欲しい
- TRAVEL Nowで言えば、今すぐ海外旅行をしたい
という需要ですね。
これは極端な例ですが、
- 砂漠のど真ん中でのどが渇いて死にそうだ、という方に1リットルの水を1万円で差し出したら・・・売れます。
- トイレに行きたくて我慢の限界!という方にトイレの使用料を2万円要求しても・・・払ってもらえます。
ちょっと不謹慎に聞こえるかもしれませんが、今すぐ何かが必要という方は、そのサービスが多少高くても利用します。というか利用せざるを得ません。
水を買った人、トイレを利用した人、どちらも困っている所に救いの手が差し伸べられる。つまり、需要と供給が満たされているので、誰も損していないということになるんです。
むしろ、今すぐ必要としていた人は料金が高かったとしてもそれを提供してくれた人に感謝します。
こんな感じでですね、我々がビジネスをするうえで著者のように”今頭ぐ客”はどこにいるのか?まずここを探すことが成功のコツなんじゃないかと思うんです。
身近な具体事例を挙げるとしたら、そうですね、
- いつか転職したいなー という人ではなく、「人間関係でメンタルヤバい、早く転職しなきゃ」
- いつかダイエットしたいなー という人ではなく、「来週SNSで知り合った人と会うことに。1週間以内に痩せなきゃ!」
という、急を要する人です。
更に言うと、今すぐ客がどこにいるかという本当に貴重な情報はおそらく巷には出ておらず、ごく一部の人だけが知っているということもありますし、数々の実験を繰り返す中で得られる誰も知らないデータだったりするんかもしれません。
すでに表に出ている情報にはあまり価値が無くて、誰かが歩いたその上を歩いたとしても、所詮二番煎じ三番煎じで終わります。
そうじゃなくて、先行者利益みたいなのを得るとしても、やはり一番最初に踏み込む必要があります。
そのためには、よほどの人脈を持つか、誰も知らない実験結果が必要になってくるのです。
そして、最も重要であり忘れてはいけないのが、自分の利益を求めるのではなく、
- 困っている人に何ができるのか
- 何を提供すれば喜んでもらえるのか
といった、あくまでも人のためになるサービスや商品であるということです。
例えば先ほどの例でいくと、
転職を急いでいる人にホワイト企業とまではいかなくても、希望に近い企業を紹介したら喜ばれますよね。
1週間以内にダイエットしたい人に、必ず結果にコミットしてくれるパーソナルトレーニングを紹介してあげたら感謝されますよね。
そういった欲求を満たしてあげる代わりに、報酬という見返りを頂く。欲求の度合い、緊急度が高ければ高いほど人は多くの対価を支払ってくれる。こうした思考が先ず第一だということです。
ここをパスして、自分のため、利益第一主義に走ると、トラブルが発生したり最悪の場合はお金だけ頂いて大したサービスは提供しないみたいな詐欺行為になっちゃうわけです。
つまりビジネスは損得ではなく善悪だということです。
それとですね、本書ではあまり失敗談みたいなのが語られていないんですけども、書かれている事例は、商品を受け取るより先に現金を渡しちゃうとか、料金は後払いでいいとか、運営者側にとってみたらちょとリスキーなビジネスモデルでもあります。
ですので、お金が回収できないとかそういったトラブルの可能性を考えると今すぐ客とはいえ、フリーランスの個人レベルが始めるにはちょっと厳しいかなーという印象です。ですので、あくまでも参考としてとらえて頂ければと思います。
ということで、実験思考を持ってその結果を財産にましょう、というお話をさせて頂きました。
まとめますと、
- 今すぐ客を探す
- 実験データを取り、それを財産に変える
- 人のためになるサービスや商品を提供する
この3つにギュギュっと凝縮されるのではないかと。
ぜひ参考にしてみて下さい。
今回は以上でございます!